政治

インターネット世論観測

(1)教育基本法
「愛国心条項を含む教育基本法に反対する人」よりも「日教組や旧社会党的教育に嫌悪感を感じている人」の方が多そうで、非政治的マジョリティは教育基本法改正を支持しているように感じられる。
2)復党問題
 自民党は選挙の力をつけるために郵政民営化に反対した11人を復党させたけれど、やはりこれによって国民の支持を失い、選挙の力はかえって弱まったようだ。
(NHKの世論調査で「復党反対」の国民は46%で賛成を大きく上回る)
(讀賣新聞調査では「反対」が「どちらかといえば」を合わせて67%、「賛成」は計26%) (12/12追記)
 小泉圧勝の前回衆議院選挙は、小泉首相みずから「一部の支持者の票を失ってもそれ以上の新しい支持を得る」ことを公言して成功した。
 旧自民党体質を壊す期待が票につながったのは明らかで、それが刺客戦略だったというのに、復党させたらそのときに得た支持を失うに決まっている。
 まったく学習していない自民党。というか、何を考え、どういう情勢分析をしているのだろう。
 衆議院は十分な議席をもっているのだから、11人を復党させないで参議院選挙に臨んだ方が明らかに有利だと思えるというのに。
 この上は、道路財源一般化で、道路族の反対をわかりやすいやりかたで押し切って可決させれば支持率を回復できると思うけれど、果たして安倍内閣にそれができるだろうか。

タウンミーティング「やらせ」問題

 タウンミーティングというのは、政府がやろうとしていることを国民に伝える、ようするにプロパガンダのための仕組みだと思っていたので、やらせがあることはむしろ当たり前だと思うのだけれど、世間の人はそう思っていなかったということなのかな。(いや、世間ではなく単にメディアが、ということかも)
 ちょっと意外でした。
 当日、都合の悪い意見を封殺したというのなら問題だけど、開催者の意図に沿った質問があるのは、そういう会なのだから当然だと思う。
 共産党の政治集会に行けば共産党の主張を発言がでるのと同じように、タウンミーティングは政府の政治集会みないなもの。
 ここで重要なのは、政府は国民によって選ばれていて、支持された政策を迅速に実行する「義務」があるから、できるだけ啓蒙して賛成者を増やし、スムーズに政策を実行できるような環境を作っていく努力をするのは当然なわけです。(政府は国民全体と対立しているわけではなくて、少なくとも多くの国民の支持によって政策を実行しようとしているのだから、できるだけ政府に賛成の人を増やそうとするのは当たり前のことで、それが民主主義そのものなのだから)
 政府の意見に反対である人は、独自に別の討論会を開くこともまた自由で、それぞれがそれぞれの立場で、自分の意見の支持者を増やそうと活動して競い合うことこそ民主主義なのだと思う。
 政策の決定から施行の過程で、政府側が公平な場を用意することこそ当たり前だという発想はあまりにナイーブというか、「お上」にそういう場まで用意して頂く、という発想で、むしろ民主主義的ではないように思う。
 自分以外の人が理想的な仕組みを作ってくれてそれに乗るのではなく、互いに相克して、結果としてバランスの取れた社会を、「(時に敵対を通じて)共に創り上げる」ことこそ民主主義というものだ。
 そもそも政府は国民の支持を得て政府たり得ているという点を忘れて、なんでも政府が国民の敵であるかのように捉えるのは、階級闘争的なイデオロギーのバイアスがかかった考え方だと思う。
 そもそも民主主義とは異なる主張の戦いの結果であり、だれか他人によって与えられるものではない。
 でも、世界史を勉強していない人は、そういう風に思えないのかもしれないな。
 だめじゃん。やっぱり世界史は勉強してください。

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議会制民主主義は機能しているか

「選挙に於ける一票の格差はずいぶんあるし、政治家や官僚は一部の人の利益を守っているように見えます。日本で本当に議会制民主主義が機能していると思いますか」
 あることろでそんな風に問われました。
 教育基本法の改正に愛国心を盛り込むことについての是非を時事通信が世論調査し、その結果、五割を超える人が「愛国心」の概念を盛り込んだ教育基本法案に賛成だったということについての議論のなかのことです。

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改正教育基本法は愛国心を強制しているか

 教育基本法を巡って「愛国心」について議論されています。
 この法案に反対する言説の中に、「愛国心は国に強制されるものではない」という意見がたくさんあり、そこに民主主義の基本的問題があると思われたので、少し論考してみます。

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