会心のスルーパス

 僕は、足遅いし、視野狭いし、サッカーが下手なんだけど、ときどき自分でビックリするようなプレーをすることがある。
 今日のフットサル。
 左サイドでボールをもらい、ふだんなら左奥へ入っていくところ、ゆっくり、中央へ横方向にドリブル。
 それを見た相手ディフェンスが3人、引きつけられて上がってくるのがわかった。
 そのとき、僕の視野が中央から右サイドに向いていたので、右サイドいちばん外からダッシュで上がってくる味方のプレイヤーが見えた。
 そこで、ややマイナス方向右へ加速をつけて、一歩踏みだすと、それを見て相手がよせてくる。その瞬間、ファーポストにオープンスペースができた。
 そこへ向けて角度をつけインサイドキックでパス。
 駆け込んだ味方にぴったり合って、ゴール!
 自分でも信じられないほど視野が確保されていた。
 自分でデフェンスを引き寄せてそれによってオープンスペースをつくってそこへパスを出すという理想的なプレーではないか!(と自画自賛)
 オーバラップして上がってくる仲間を見た瞬間、ゴールネットが揺れるまでが完全にイメージできて、その通りに動くことができた。 剣の達人が、相手が斬りかかってくる前に太刀の先の通る筋が見えるというけれど、まさにそういう感じ。(え? 言い過ぎ?)
 理由はわからないけど、その瞬間は会心の動き。
 不思議。
 ただ、結果として、こう動けばオープンスペースをつくることができる、と会得した感はあります。
(もういちどできるかどうかは、まったく別なんだけど)
 フットサルを始めたのは2002年、ワールドカップのボランティアがきっかけだ。
 その前、最後にサッカーをしたのは、中学の頃(クラブではなく、早朝と昼休みと放課後、クラスの連中と遊んでいた)だから、1969年。実に33年ぶりに、なんと生まれて初めてサッカーチームに入り、しかも生まれて初めて背中に自分の背番号のついたチームユニフォームを持つことができた。
 そのチームでの球蹴りが、4年続いて、今日で100回目。
 僕自身は、そのうち半分も出席していないと思うけれど、なにしろこの年齢になってサッカーをすることができるなんて思ってもいなかった。オッサンと遊んでくれる仲間たちにはほんとうに感謝している。
 100回記念の飲み会もあったけれど、執筆の調子が出てきていて、テンションを抜くのがもったいないので、残念だけど参加せずにまっすぐ帰宅。

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