訃報

コロナで、フォークの日もロックの日もてるりん祭の日にもコザへいかないまま2年ほどが過ぎてしまっていたが、いきつけの飲み屋の主が亡くなったと訃報が伝わってきた。
コザの歓楽街「中の町」のなかほどにある「SHUN」という店のモリトシ。SHUNは、さんざん飲んで最後に行く店だった。
(早い時間にはやってないし)
近所の店で働いている人たちが自分お店が閉まってから来たり、ミュージシャンが仕事を終えて来たり、というそんな店で、看板が消えていても、常連は勝手に入っていく、という店だった。
(まあ、沖縄ではそれがふつうなんだけど)
(へんな一見のよっぱらいを追い返すシステムでもある)
最初に行ったのは、ギタリストの照喜名薫の店PEGで飲んでいて、カオルが少し早めに(午前3時頃だったと思う)店を閉めてのみにいこうというので、連れてってもらったんだった。10年以上前だ。
今度のことを知らせてくれたのもカオルだ。
モリトシはミュージシャンではないし、SHUNはライブハウスでもないのだけど、店にはギターがたくさん壁に掛かっていて、ドラムセットまであった。(まあ、コザにはよくあるのだけど)
夜中の店なのに、気の利いた食い物を出す。
300円のお通しなのに立派な料理だった。
最初の頃はそのお通し代すら取っていなかった。
最後に行く店だから、僕はもうあまり飲めなくて、彼の店にはあんまり金を落としていなかったな。
いっしょに、ピースフルラブロックフェスティバルに行ったりもした。
最後に寄る店がなくなるって、すごくさびしいんだよね。
寄らなくても、前を通って、ああ、このドアを開けるとモリトシがいる、と思いながら帰っていた。
ああ、すごくさびしい。
肺がんだったそうだ。
苦しみから解放されたということなのだろう。
R.I.P.